「兄さん、おかえりなさい!今日は何して遊ぶの……?」
いつの日からか、幼いヒョウドの兄のような存在になったギア。
ヒョウドは、両親以外の人間と関わることが苦手だったが、よく家に来ていたギアとだんだん仲良くなっていった。
もともと一人で暮らしていたギアは、ヒョウドの父の誘いによってヒョウド家に居座るようになっていたのだ。
仕事が終わると、その帰り道にはいつもヒョウドが待っている。
楽しい日常は、変わることなくずっと続くものだと思っていた。
あの日が来るまでは……。