雪の記憶

雪の記憶

雪を見ると思い出す

その手の温もり、優しい声
全てを包み込むような、眩しい笑顔

俺はもう、昔とは違う
この手は数千もの命を容易く摘み取った
どうやら、かつてアンタが否定してくれた、
『化け物』という言葉がよく似合う人間になってしまったらしい

俺とアンタはもう、従者でもなければ、主人でもない
二度と、会うこともないだろう

だけれどどうか、昔を思い出すことは許してくれ

また明日も、戦い、生き残り、
アンタの生きる、この国を守るために

どうか───────